マルタ旅行前に知っておくべき13の重要なこと
- マルタの地理
- 歴史的背景
- 気候と天気
- 必ず行くべきマルタの観光スポット
- 郊外でのアクティビティ
- お祭りとイベント
- マルタの伝統料理
- マルタの飲み物
- 交通手段のアドバイス
- 言語と文化
- 通貨と物価
- 自然と環境保護
- 起こり得るトラブルと対策
マルタ諸島は、マルタ島、ゴゾ島、コミノ島の3つの主要な島で構成されています。最大のマルタ島は、政治、文化、観光の中心地です。ゴゾ島は一回り小さく緑豊かで、静けかな時間と自然を求める観光客に人気です。最小のコミノ島は、透き通ったターコイズブルーの海と美しいビーチで有名で、ダイビングやマリンスポーツ愛好家の楽園となっています。人口は約53万人で、マルタはヨーロッパで最も小さく、人口密度の高い国の一つです。
マルタは地中海性気候に恵まれ、夏は暖かく乾燥し、冬は温暖で雨が降ります。そのため、一年中人気の旅行先となっています。夏は気温30℃を超える日が多く、ビーチリゾートに最適です。冬も温暖で気温が10℃を下回ることはめったになく、オフシーズンでも快適に過ごせます。
マルタの景観は多様で、西海岸には雄大な断崖と魅力的なビーチの両方があります。コミノ島のブルーラグーンは最も有名な観光地の一つです。また、ブルーグロットをはじめとする多数の海食洞があり、ボートツアーで訪れることができます。
マルタはまさに歴史の宝庫であり、貿易路の要衝という地理的条件から、あらゆる時代の影響を受けてきました。
マルタには先史時代から人が暮らしており、世界最古の自立建造物であるハジャー・イムやムナイドラといった巨石神殿がその証拠です。長い歴史の中で、この群島は様々な文明によって支配されました。フェニキア人とカルタゴ人が最初に定住し、紀元前218年にはローマ帝国の一部となりました。9世紀のアラブ支配は、新しい灌漑方法の導入やマルタ語の語彙への影響など、言語と文化に大きな影響を残しました。
最も華やかな時代は、1530年に島を受け取った聖ヨハネ騎士団の統治時代です。騎士団はマルタを難攻不落の要塞に変え、1565年の大包囲戦でオスマン帝国の侵攻を阻止する重要な役割を果たしました。彼らはグランドマスター、ジャン・ド・ラ・ヴァレットの名を冠した首都バレッタを建設しました。
1814年、マルタは大英帝国の統治下に入り、特に第二次世界大戦では重要な軍事拠点として機能しました。1964年に独立を果たし、1974年に共和国となりました。現在、マルタは議会制民主主義国家として、EU(2004年以降)およびシェンゲン協定(2007年以降)の加盟国です。
マルタの歴史を知ることで、この国の人々の強さ、文化、勇気をより深く理解することができるでしょう。
3. 気候と天気
地中海性気候のため、冬は温暖、夏は暑く乾燥します。季節ごとに異なる体験ができます。
| シーズン | 期間 | 気温 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| 冬 | 12月~2月 | 10℃~15℃ | 料金が安く、混雑も少ない。雨の可能性あり。12月にはクリスマスマーケットが開催されています。 |
| 春 | 3月~5月 | 18℃~25℃ | ベストシーズンのひとつ。快適な気温で、花々が咲き誇ります。ハイキングや自然散策に最適。 |
| 夏 | 6月~8月 | 最大35℃ | ハイシーズン。ビーチやマリンスポーツに最適。日焼け対策必須。 |
| 秋 | 9月~11月 | 20℃~30℃ | もう一つのベストシーズン。温暖な気候が続き、混雑が落ち着きます。海水温はまだ泳げるほど温かいです。 |
首都でありユネスコ世界遺産のバレッタは、16世紀に聖ヨハネ騎士団によって建設されました。要塞であり行政の中心地であり、印象的な城壁とバロック建築が特徴的です。
主な見どころ
- 聖ヨハネ大聖堂:カラヴァッジョの絵画を所蔵するバロック建築の傑作。
- バラッカ庭園:グランド・ハーバーとスリーシティーズを一望できるリラックスに最適な場所。
- バレッタ・ウォーターフロント:レストランが並ぶ海沿いの遊歩道。
アクセス
バス路線中心。スリーマやスリーシティーズからフェリーも運行。
「静寂の街」として知られる古都イムディーナは、中世とバロック様式の建物が並ぶ魅力的な場所です。石畳の路地、石造りの建物、車の通らない静けさが独特の雰囲気を醸し出しています。城壁からは島のパノラマビューを楽しむことができます。
主な見どころ
- 聖パウロ大聖堂:美しい装飾がされた聖堂。
- イムディーナの城壁:パノラマビューが楽しめる
アクセス
バレッタからバスが運行しています。
南部の魅力的な漁村で、伝統的な雰囲気とカラフルな「ルッツ」(伝統漁船)が特徴です。日曜日の魚市場が人気。近くには、セント・ピーターズ・プールという岩に囲まれた入江があり、水の透明度が高くシュノーケルに最適です。
アクセス
バレッタからバスが運行しています。
ビルグ
歴史的なスリーシティーズの一つで、グランド・ハーバーの南側にある魅力的な城塞都市です。
主な見どころ
- 異端審問官の宮殿:マルタの異端審問の歴史を展示する博物館。
- 聖アンジェロ砦:騎士団統治時代の重要な要塞。
アクセス
バレッタからバスまたはフェリーで。
スリーマとセント・ジュリアンズ
インフラが整っており、ナイトライフ(セント・ジュリアンズのパーチャビル地区)、ショッピング(スリーマのThe Pointショッピングモール)が充実しているため、観光客に人気のある現代的な都市です。スリーマのプロムナード(遊歩道)からはバレッタを望めます。
アクセス:バレッタおよび空港からバスが運行しています。
イムディーナに隣接する歴史的な町で、キリスト教文化や古代の歴史に関連する見どころがあります。
主な見どころ
- 聖パウロのカタコンベ:ローマ時代の広大な地下墓地。
- 聖アガサのカタコンベ:小規模ながら古代のフレスコ画が残る。
アクセス
バレッタまたはスリーマからバスが運行しています。
- ゼブージ: 最も古い町の一つで、地元の伝統、宗教的なお祭り(フェスティ、特に6月の聖フィリップの祝日)、そして「イムアレット」のような伝統的なお菓子で知られています。
- コルミ: 「パンの街」として、長いパン作りの伝統があります。毎年行われるコルミ・ブレッド・フェスティバルや、ホブス・タル・マルティ(マルタのパン)を味わえる伝統的なベーカリーが魅力。
マルタの自然環境は、多くのアクティビティで忘れられない体験を提供します。
ターコイズブルーの透明な水で有名で、シュノーケリングや水泳に最適なスポットです。
アクセス:チルケッワ(マルタ島)とムジャール(ゴゾ島)間でフェリーとボートが運行しています。
マルタ島の最高地点で、西海岸にあり、海と海岸の壮大な景色を眺めることができます。ハイキングや夕日を眺めるのに最適です。
アクセス:ラバトから車またはバスでアクセス可能。
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- ゴールデンベイ:崖に囲まれた人気の砂浜で、ウォータースポーツに最適。
- メリーハベイ:マルタ最大のビーチで、浅い水のため家族連れに最適。
アクセス:バレッタとスリーマからバスが運行しています。
南海岸にある海食洞で、水が青い光を反射し、幻想的な光景を生み出します。
アクセス:ズリーク近郊の小さな港からボートが運行しています。
マルタ島より静かで、緑豊かな丘、絵に描いたような村、ウィード・イル・ミエラハなどのユニークな岩層で知られています。中心地は城塞のあるヴィクトリアです。
アクセス:チルケッワからフェリーで約25分。
- マジストラル自然歴史公園:北西海岸に広がり、断崖、ハイキングコース、歴史的遺跡があります。
- カディーラ自然保護区:メリーハベイ近くの渡り鳥の保護区。
- マルサルフォルンの塩田:海塩の生産に今でも使用されている伝統的なゴゾ島の塩田で、美しい景観を作り出しています。
6. お祭りとイベント
マルタには、伝統の文化的なお祭りから音楽フェスまで、豊富なイベントがあります。
- マルタ・カーニバル(2月):バレッタとナドゥール(ゴゾ島)の街が色鮮やかなパレードと音楽で賑わいます。
- Isle of MTV(夏):国際的なアーティストが出演する大規模な野外音楽イベント。
- フェスタ:マルタ文化に不可欠な要素。各村は聖人を祝い、バンド演奏、花火が繰り広げられます。
- マルタ・ジャズ・フェスティバル(7月)
マルタはカトリック信仰が根強い国で、宗教が社会生活で重要な役割を果たしています。多くの教会や盛大な宗教行事にそれが表れています。
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マルタ料理は、地中海、アラブ、イタリア、イギリスの影響が融合し、新鮮な地元食材を使った料理が特徴です。
- パスティッツィ:クリーミーなリコッタチーズまたはえんどう豆ペーストが入ったサクサクのペストリー。とても安価です。(約1€)
- ホブス・ビズ・ゼイト:オリーブオイルを染み込ませたパンに、トマト、ケッパー、ツナ、オリーブをのせた伝統的なサンドイッチ
- ビジッラ:そら豆のペーストをにんにくとオイルで味付けしたもの。クラッカーと一緒に楽しみます。
- フェンカータ:マルタの国民食とされるうさぎのシチュー。赤ワイン、にんにく、ハーブでじっくり煮込む。ムジャールの田舎のレストランが特におすすめ。
- ティンパーナ:トマトとひき肉のソースで和えたパスタをパイ生地で包んで焼いた料理。
- ランプキ:地元でとれる季節の魚(シイラやマヒマヒとも呼ばれる)。焼き物やパイで提供されることが多い。
- スタッファット・タル・カルニット:タコをハーブ入りトマトソースで煮込んだ料理。マルサシュロックの港沿いのレストランがおすすめ。
- アリョッタ:トマト、にんにく、米を使った伝統的な魚のスープ。
- イムカレット:揚げたデーツのペストリー。温かいうちにバニラアイスと一緒に食べることが多い。
地中海文化を感じられる地元のドリンクをぜひお試しください。
- キニー:ビターオレンジとハーブで作られた。ほろ苦い味わいが特徴のマルタの国民的ソフトドリンク。冷やして飲むのがベスト。
- マルタワイン:マルタにはワイン醸造の伝統があり、地元品種のジェルウザ(赤)やジルジェンティーナ(白)が国際的にも評価されている。
- チスク・ラガー:最もポピュラーなローカルビール。
- サボテンリキュール:サボテンの実から作られた甘いリキュール。
注意: 公共の場での飲酒は原則禁止されており、最大235€の罰金が科される可能性があります。
9. 交通手段のアドバイス
小さな国とはいえ、マルタには主要な観光地への様々な移動手段があります。
バスがメインの交通手段で、ほとんどの観光地をカバーする充実した路線網があります。
- シングルチケット(2時間有効): 夏季2€、オフシーズン1.50€
- 7日間エクスプローラーカード(乗り放題): 大人21€
注意: ピーク時はバスが混雑し、時刻表通りに来ないこともあります。
合わせて読みたい:【完全ガイド】マルタのバスの乗り方とチケット購入方法まとめ
レンタカー(1日20~40€)やスクーター(1日15~30€)を借りれば、ディングリークリフなど、アクセスしにくい場所も自由に巡れます。
注意: マルタは左側通行(日本と同じ)ですが、慣れるまで時間がかかるかもしれません。人気エリアでは駐車が難しい場合も。
島国ならではの水上交通は重要な移動手段です。
- フェリー(マルタ~ゴゾ):チルケッワとムジャール間を頻繁に運行。片道約4.50€
- 水上タクシー/フェリー:バレッタとスリーマやスリーシティーズを結ぶ(片道約2~3€)
- ボートツアー:ブルーラグーンなどを巡る終日ツアーは25~50€
従来のタクシーは割高になることがあります(10kmで15€程度)。BoltやUberも利用でき、より手頃で便利な場合が多いです。
マルタには2つの公用語があります:マルタ語(イタリア語と英語の影響を受けたセム語系の言語)と英語。ほとんどの地元の人は英語を流暢に話すので、観光客とのコミュニケーションは容易です。
英語が通じるとはいえ、マルタ語で挨拶すると喜ばれます。
- こんにちは/おはよう:ボング
- さようなら:サッハ
- ありがとう:グラッツィ
- お願いします:イエック ヨジボク
- すみません:スクザーニ
- はい/いいえ:イヴァ/レ
- ~はどこですか?:フェイヌ…?
- いくらですか?:ケンム イスワ…?
- 英語を話せますか?:ティツケレム ブリングリーズ?
マルタの人々はその温かさとホスピタリティで知られています。観光客に対して親切で、その気さくな人柄が旅をより楽しいものにしてくれます。地元の暮らしで目を引くのは、深く根付いた信仰心で、数多くの教会や活気ある「フェスティ」にそれが表れています。
EU加盟国であるマルタはユーロを使用しています。クレジットカード(Visa、Mastercard)は店舗、レストラン、ホテルで広く使えますが、少額決済や郊外では現金が必要な場合もあるので、少し持ち歩くことをおすすめします。ATMはバレッタ、スリーマ、セント・ジュリアンズなど主要都市で簡単に見つかります。
1日の予算目安
- バックパッカー:40~60€/日(公共交通、軽食、基本的な観光)
- 一般的な旅行者:70~120€/日(レストラン、複数の観光地)
- 贅沢な旅行:150€以上/日
マルタの物価例
| カテゴリー | 項目 | 目安価格 |
|---|---|---|
| 飲食 | 地元レストランでの夕食 | 15〜20€/人 |
| 軽食(パスティッツィ) | 0.50〜1.00€ | |
| ビール | 2.50〜4.00€ | |
| コーヒー | 2.00〜3.00€ | |
| 観光 | 聖ヨハネ大聖堂 | 15€ |
| サンテルモ砦(国立戦争博物館) | 10€ | |
| 聖パウロのカタコンベ(ラバト) | 6€ | |
| ブルーグロットのボートツアー | 8〜10€ | |
| ハル・サフリエニ地下墳墓(要事前予約) | 35€ |
小さな国とはいえ、マルタの自然は驚くほど多様で美しいです。自然エリアの探索はおすすめですが、環境保護のルールを守ることが大切です。
- ガディーラ自然保護区:メリーハベイ近くの渡り鳥の重要な中継地。バードウォッチングや愛好家の静かな楽園。
- ブスケット庭園:マルタでは数少ない森林エリア。ピクニックや夏に避暑するのに人気。
- マジストラル自然歴史公園:北西海岸一体をカバー。ハイキングコースがあり、断崖と地中海の絶景が楽しめる。
マルタは天然資源の保護に力を入れています。旅行者も以下を守りましょう:
- ビーチのルール:多くのビーチでゴミのポイ捨ては禁止。石や砂の持ち帰りも同様。
- 保護地区:ブルーグロットやティングリの断崖などは保護区域。立入禁止区域への侵入や自然破壊には罰則がある。
環境への配慮:使い捨てプラスチックを避け、地元製品を選ぶことで、環境への負荷を減らせます。
マルタは治安が良く犯罪率の低い国です。しかし、いくつか注意すべき点があるので、しっかり準備しましょう。
- 軽犯罪:混雑する観光地ではスリに注意
- 運転:マルタは左側通行で、運転マナーが荒い場合も。運転時や道路横断時は十分注意を
マルタは質の高い医療サービスを提供しています。
- 海外旅行保険:万が一に備えて、出発前に必ず海外旅行保険に加入しましょう。医療費は高額になる場合があります。
- 主要医療施設:マーテル・デイ病院が主要な公立病院です。
- 緊急時:警察・消防・救急すべて112に電話してください。
- ハイシーズンを避ける:混雑が苦手であれば7~8月は避けましょう。
- 日焼け対策:夏の日差しは非常に強烈です。高SPFの日焼け止め、帽子、サングラスを用意し、こまめな水分補給を心掛けましょう。
- 事前予約:ハイシーズンは人気の観光スポットや宿泊施設の事前予約が必要です。
- 公共交通:ハイシーズンは遅延や混雑が予想されます。集中的に観光するならレンタカーやレンタルスクーターも検討しましょう。
- 歩きやすい靴:マルタは街であれば石畳、海辺であれば岩場や砂浜など、でこぼこ道が多いので、履き慣れた歩きやすい靴が必須です。
- 通信手段:日本の携帯電話会社の国際ローミングは高額になる場合があります。E-SIMの購入や、日本からポケットWi-Fiをレンタルすることをおすすめします。
マルタは長年、アーティストや映画製作者にインスピレーションを与えてきた場所で、島に独特の雰囲気をもたらしています。
- グラディエーター(2000)、トロイ(2004)、アレキサンダー(2004):リカソーリ砦でシーンが撮影された。
- ゲーム・オブ・スローンズ(2011):パイロット版がマルタで撮影され、ゴゾ島の旧ジュール・ウィンドウでの結婚式シーンなどが含まれる。
- ミュンヘン(2005):マルタをギリシャやイスラエルの代わりに撮影。
- アサシンクリード(2016):ムディーナとマノエル砦で撮影。
- ポパイ(1980):ロビン・ウィリアムス主演のミュージカル。撮影に使われたポパイ村は今も観光スポット。
旅行前の情報収集にはマルタ観光局の公式アカウントをチェックするのもおすすめ
Instagram:@visitmalta
Youtube:https://www.youtube.com/@VisitmaltaGozoComino/videos
お土産に地元の工芸品はいかがでしょうか?
- レース製品とジュエリー
- ムディーナグラス
- サボテンのリキュール
- 伝統菓子
マルタは、豊かな歴史、素晴らしい自然、独特の文化が融合した魅力的な旅先です。バレッタを散歩したり、ディングリークリフの絶景を楽しんだり、ブルーラグーンでくつろいだり、地元のパスティッツィやランプキを味わったりーーこの地中海の宝石のような島々で、心温まるおもてなしと忘れられない魅力を発見してくださいね。