フランクフルトへ留学。ゲーテ大学に通うインターン生に聞く、リアルなドイツ大学事情【Kotaさんインタビュー前編】

今回は、ドイツ・フランクフルトにあるゲーテ大学(Goethe University Frankfurt)の修士課程で学びながら、シュプラッハカフェ・フランクフルト校でオンラインマーケティングアシスタントのインターンとして半年間の勤務を経験したKotaさんに、リアルなドイツ大学院留学についてお話を伺いました。   今回は前編として、 ✓ ドイツ進学を決めた理由 ✓ ドイツの大学院への進学方法 ✓ 日本との大学の違い などについて詳しく聞いていきます。
名前Kota
インターン先ドイツ・フランクフルト校
インターン期間2025年9月〜2026年2月

ドイツ留学を決めた理由

自己紹介をお願いします

2024年の夏にドイツへ来て、現在はゲーテ大学の修士課程で学んでいます。

専攻は「Modern East Asian Studies」、現代東アジアについてです。

初めてドイツに来たのは2021年。

当時は日本の大学生で、フランクフルトと同じヘッセン州にあるマールブルクの大学へ、半年間交換留学をしました。

その時期はちょうどコロナ禍の真っ只中。イベントが開催されなかったり、クリスマスマーケットも制限されていたりして、一般的な留学生活とは少し違っていたと思います。

でも今振り返ると、「あの時代に海外留学をした」というのは、一生に一度あるかないかの貴重な経験だったなと思います。

ドイツを留学先に決めた理由は?

元々は、オーストリア・ザルツブルクの大学への交換留学を希望していましたが、コロナの影響で行けなくなってしまって。

交換留学先を変更して、改めて出願し直し、ドイツへの留学を決めました。

以前からドイツ語に興味があって、"標準ドイツ語"に触れようかなと思ったんです。

オーストリアも同じドイツ語圏ですが、発音や表現に違いがあります。ドイツ人の友人が、「オーストリアのドイツ語は、ドイツ人でも聞き取りが難しいことがある」と話していました。

これはオーストリアだけではなく、ドイツ国内でも同じ現象があるらしく、例えばバイエルン地方のドイツ語は、他地域のドイツ人が聞き取れないこともあるそうです。

感覚としては、東京出身の人が沖縄や東北の方言を聞くようなイメージに近いのかもしれません。

印象的だった「動物倫理」の授業

交換留学中、どんな授業を受けた?

日本では会計学を中心に学んでいましたが、交換留学中は社会学部の授業も履修していました。

その中でも特に印象に残っているのが、「動物倫理※」の授業です。

※動物倫理:動物に対する人間の道徳的責任やあり方について考える学問・思想。

もちろん大学や専攻によって違うとは思いますが、日本ではあまり触れる機会のないテーマだったので、とても新鮮でした。

ドイツでは日本と比べて、「アニマルウェルフェア(動物福祉)」や「アニマルライツ(動物の権利)」について意識している人が多い印象があります。

交換留学を通して、教育だけでなく、ドイツの社会や文化そのものに興味を持つようになって、ドイツの大学院への進学を考えるようになりました。

ドイツの大学へ進学するには

日本からドイツの大学院へ進学する選考過程を教えてください

僕の場合は、「英語で授業を受けられること」と、「自分の興味のある分野を学べること」を軸に大学院を探して、フランクフルトのゲーテ大学に出願しました。

日本の大学受験のような一般的な筆記試験や面接はなく、書類選考でした。

  • 履歴書
  • 成績証明書
  • 卒業証明書
  • IELTSなどの英語資格
  • 志望動機書
  • 修士論文のアイデア

などを英語で準備する必要がありました。

ただ、応募要項には「定員を超えた場合は、面接や試験が行われる可能性がある」と記載されていました。大学や専攻によって選考方法は異なると思います。

一般的に、ドイツの大学は「日本の受験のように、ものすごく勉強して試験を突破しないと入れない」というイメージとは少し違うと感じています。

それよりも、学士課程の成績、学んできた内容、応募するプログラムとの関連性が重視された印象があります。

ドイツの大学院への出願で大変だったことは?

一番は書類準備です。

僕の場合、ゲーテ大学へ直接出願するのではなく、uni-assistという団体を通して出願する仕組みでした。

まず、その団体が「応募条件を満たしているか」を確認した後に大学へ書類が送られて、最終的に合否が決まる流れ。

ただ、「大学側が必要としている書類」と、「団体側が必要としている書類」にズレがあることもあり…。

ドイツではこういった「手続きの煩雑さ」「紙の書類の多さ」はよくあることですが、申請書類を揃えるだけでも数週間かかったので、スケジュールを立てて準備することが大切だと思います。

ドイツの大学院は「自主性」が重要

ゲーテ大学ではどんなことを学んでいますか?

僕の場合、学部が分かれているというよりも、ビジネス、法、国際関係、歴史など、さまざまな分野が横断的に組み合わさっています。

日本の大学では会計学を中心に学びましたが、徐々にマネジメントやビジネス分野へ興味がシフトしていったので、今は自分の興味に近い授業を履修しています。

他にも、サステナビリティ関連の授業を取ったり、東アジアの言語が必修なので、中国語の授業もとっています。

日本の大学との違いは?

思っていた以上に勉強量が多いこと。

毎週、何十ページもの読み物の課題があります。

なにより、ドイツの大学院では非常に自主性が求められると感じています。

日本の大学のように、「ここがテスト範囲」と教授が言ってくれることはなくて、授業全体から出題されます。

実際に受けた試験では、「自分の考えを論じる」形式の問題が多くありました。

単に知識を覚えるだけではなく、起承転結を意識しながら、自分の意見を論理的に書く力が求められます。

日本ではあまり経験したことのないタイプの試験で、「これはちょっと勘弁してほしい…」って思ってます。(笑)

テスト期間ではなくても、大学の図書館はいつも満席で。特に法律系が強い大学ということもあり、日本でいう六法全書のような分厚い本に付箋をたくさん貼って持ち歩いている学生もよく見かけます。

あと、州によって多少違いはあるようですが、ドイツは学生へのサポートも充実しています。

ゲーテ大学の場合は、学費がほぼ無料だったり、学生証で公共交通機関が乗り放題になったり。「学生に優しいな」って思います。

英語ができても苦労する!?ドイツの大学院

ドイツへの大学院進学で不安だったことは?

大学時代はインターナショナルな学部に所属していて、かなり英語を勉強していました。

IELTSではC2レベル(ネイティブレベル)ですが、ドイツの大学院へ進学するにあたり、「語学力が足りるか」という不安はありました。

日常英語と大学で使うアカデミック英語は全く別物だし、授業だけでなく、テストやレポートも英語なので。

あと、実際にドイツに来て感じたのは、ドイツ語も英語もラテン文字で、アルファベットを書き慣れているからか、現地の学生は書くスピードがめちゃくちゃ速い。

自分では「英語は問題なく使える」と思っていましたが、論述試験では"英語力"だけではなく、"限られた時間で論理的に書く力と速さ"も必要だと感じました。まだまだ勉強というか、練習が必要だなって思っています。

シュプラッハカフェでインターンをしたのはなぜ?

大学院での単位取得にあたって、「半年間(720時間)インターンをする」か、「授業を追加で取る」か、「東アジアの国に半年間の語学留学する」というを選択する必要があって。

せっかくだったら、実際に働く経験をしてみたいなと思って、インターンを探し始めました。

ただ、インターン探しは結構苦労しました。

ドイツ人の学生でも苦戦している感じでしたし、僕自身も、ドイツ語がビジネスレベルでできるわけではないので、他の学生との差別化を考えた時に、やっぱり「日本語」とか、「日本マーケットを理解していること」が強みになるのかなと思っていました。

実のところは、日本に帰国してインターンをするっていうプランBもありました。

日本で面談に進んだ企業もあったんですけど、最終的には「せっかくならドイツで経験したい」と思って、シュプラッハカフェでのインターンを決めました。

ドイツの大学への進学を考えている人へメッセージをお願いします!

「自分が思っている2倍、3倍は勉強しろ!」

本当に勉強量が多いです。

修士課程って「2年間ある」と聞くと長く感じるかもしれませんが、実際はあっという間。

最初の1年が終わる頃には、もう卒業論文について考え始めるフェーズに入ってくるので、履修計画や論文スケジュールも含めて、かなり計画的に動く必要があります。

僕の場合は、一定数の単位を取っていないと、そもそも修士論文を書き始めることができません。

なので、「後でなんとかなるだろう」ではなくて、1学期目からしっかり計画を立てて進めることが大事だと思います。

そうすれば、僕みたいに苦労しなくて済むと思います(笑)。

「もっとドイツ語を勉強しておけ!」

留学前は、「ある程度できれば、あとは現地で何とかなるか」と思っていたんですけど、勉強がかなり忙しくて、ドイツ語の勉強時間を確保するのが難しかったです。

でも、ドイツ語ができると、生活がもっと楽しくなるし、人間関係も深まるし、ドイツ社会への理解も全然変わってくると思います。

なので、語彙力や会話力は、留学前にもっと伸ばしておけばよかったなと思っています。

「心配しすぎなくても大丈夫!」

僕自身、最初はかなり不安でした。長期の海外生活も初めてで、やっていけるかなって思っていました。

でも、実際に来てみると、人って意外と環境に慣れていくんですよね。

最初は大変でも、少しずつ順応していけるものなんだなって感じました。

だから、不安になるのは当然だけど、「心配しすぎなくても大丈夫だよ」って伝えたいです。


ドイツでの大学進学は、勉強量の多さや、思考を鍛える授業スタイル、インターン探しなど、大変なことも多い一方で、日本では得られない経験や学びがあるのも、大きな魅力。

「海外への大学進学ってハードルが高そう…」と思う人は多いかもしれませんが、実際に挑戦している人のリアルな声を知ることで、少し身近に感じられるのではないでしょうか。

語学学校シュプラッハカフェは、大学進学を見据えて語学力を鍛える語学コースも開講しています。

フランクフルト校 学校情報

後編では、

✓ドイツでの暮らし

✓ドイツで感じた文化の違い

✓ドイツで働いて感じたこと

について、詳しく深掘りします。

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