【ドイツ生活】賑やかな年越し!Silvester(大晦日)と新年の過ごし方
- Silvester(ジルベスター)とは?
- 花火と爆竹:賑やかな年越し
- Dinner for One:大晦日の定番テレビ番組
- 大晦日の定番料理
- Bleigießen(ブライギーセン)で新年占い?
- 年末年始の挨拶
ドイツでは12月31日の大晦日を「Silvester(ジルベスター)」と呼びます。
ドイツのクリスマスは家族と静かに過ごし、大晦日では友人や恋人と集まって賑やかに過ごすのが一般的です。自宅でパーティーを開いたり、街の中心部で開催されるカウントダウンイベントに参加したりと、過ごし方は様々です。
クリスマスは恋人や友人と、大晦日は家族と過ごす日本の文化とは正反対ですよね!日本の静かな年越しとは違って、ドイツの年越しは「騒がしさ」が特徴です。
ドイツの年越しで最も印象的なのが、花火と爆竹です。
新年を迎えた瞬間、街中で一斉に花火が打ち上がります。個人が打ち上げる花火、爆竹、ロケット花火などがいたるところで鳴り響き、夜中の街が急に騒がしくなります。
大きな街では公式の打ち上げ花火も行われ、空は花火で埋め尽くされます。初めて体験する方はこの光景に驚くかもしれません。
個人が花火を打ち上げるため、予期せぬ方向に飛んでくることもあります。外出する際は周囲に十分注意してください!
毎年、花火による事故が多発しており、特にベルリンでは、けが人を運ぶ救急車や消防車に向けて花火を飛ばす事件が続出し、多くの人が負傷し、逮捕者もたくさん出る事態となりました。
ドイツの大晦日は、「Dinner for One」というテレビ番組を見ることが定番です。
1963年に制作された約18分の短編コメディで、イギリスの俳優による英語の寸劇です。
90歳の誕生日を迎える老婦人が、4人の友人を誕生日パーティーに招待します。しかし、この4人は既に亡くなっていて、執事がこの4人の友人役を演じて、それぞれのキャラクターになりきりながらお酒を飲んでいくというブラックユーモアを含んだ内容です。
この番組は、50年以上毎年大晦日に必ず放送されているそうです。複数のテレビ局が同じ時間帯に放送するほど国民的番組で、多くの家庭でこの番組を観ることが習慣になっています。
私も何度か見たことがあり、確かに短編コメディとしては面白いですが、「なぜこれを大晦日にみるのが定番なの?」と思いました笑 日本で言うところの、「紅白歌合戦」や「ゆく年くる年」のような立ち位置のテレビ番組なのかなと思います。
毎年全く同じ内容が放送されるにも関わらず、ドイツ人にとっては大晦日の楽しみの一つです。初めてドイツで年越しをする方は、ぜひ一度観てみてください!
ドイツの大晦日には、ラクレットやチーズフォンデュを食べるのが定番です。
長時間かけてゆっくり食べられるため、友人や家族と会話を楽しみながら夜を過ごすのに最適な料理です。各自が好きな具材を選んだり、チーズをつけたりするスタイルなので、準備も簡単で、大晦日をゆっくり過ごすことができます。
これらに合わせて、スパークリングワインを飲むことも人気です。ドイツ語でSekt(ゼクト)と呼ばれ、真夜中のカウントダウンで乾杯する際にもよく飲みます。
私はラクレットをドイツに来て初めて食べたのですが、自分が好きな食材を選んで、溶かしたチーズを掛けるという、自分でテーブルの上で調理する感覚は、日本の家で作る手巻き寿司やしゃぶしゃぶ、焼き肉などと少し似ていて楽しかったです!みんなでワイワイ話しながらでも食べやすいので、パーティーにぴったりの料理だと思いました。
ドイツの大晦日によく行われるのが、「Bleigießen(ブライギーセン)」という占いです。
Bleiは鉛、gießenは注ぐという意味です。
元々は鉛(Blei)を使った占いで、以下の手順で行います:
- 小さな鉛の塊をスプーンに乗せて火で溶かす
- 溶けた鉛を冷水の入った容器に流し込む
- 固まった鉛の形を見て、新年の運勢を占う
2018年以降、健康上の理由から鉛の使用が禁止されました。現在は、鉛の代わりに錫(すず)やワックスを使った占いセットが販売されています。ただ、これらの代替品は鉛に比べて固まりづらく、形を判別するのが難しいそうです。
皆さんも機会があればぜひ挑戦して、新年を占ってみてください!
大晦日の前、12月中に使う挨拶です。直訳すると「良い滑り込みを」というような意味で、良い新年に滑り込めるようにという願いが込められています。
新年になってから使う挨拶です。
2つとも短く、簡単なフレーズなので、ドイツで年末年始を過ごす際はぜひ使ってみてください!
ドイツの年末年始は、日本の静かな年越しとは全く異なる、賑やかな活気に満ちた文化です。
初めてドイツで年越しをする方は、驚くこともあるかもしれませんが、ぜひドイツ文化の一部として楽しんでみてください。